韓国へ行くと、ほぼ必ず訪れているお店があります。 それは、話題のスポットでも映えスポットでもない「腸詰スープ(순대국/スンデグク)」のお店。 以前はそれほど興味がなかったのですが、不思議なことに年を重ねるほど、あの滋味深いスープの虜になってしまいました。
最近『食卓の上の韓国史』という本を読んで、「そうだったんだ!」と驚いたことがありました。 スンデのルーツは古く、6世紀の中国の料理書『斉民要術』に登場しているそうですが、当時は羊の腸を使っていたのだとか。しかし、当時の朝鮮半島では羊がなかなか手に入りませんでした。 そこで当時の人たちは、牛、豚、犬、さらにはニベの腸まで使って、試行錯誤を重ねたそうです。
ちなみに「スンデ」という名前。「デ」は袋を意味しますが、「スン」が何を指すのかは今もはっきりとは分かっていないそうですよ。
そんなスンデは、かつて肉やもち米をぎっしり詰めた高級料理でした。 それが今のように春雨が入るようになったのは、1964年以降とのこと。戦後の食糧難の中で、安価な春雨でボリュームを出す工夫がなされ、そこから屋台の定番メニューとして爆発的に広がったのだとか。
と、歴史の話を少し書いてみましたが、私が何より愛しているのはスンデグクそのもの。
1936年の文献『増補朝鮮無双新式料理製法』によれば、当時のスンデグクにはスンデそのものは入っておらず、豚のゆで汁に内臓とウゴジ(白菜などの外葉)を入れて煮込んだものをそう呼んでいたそうです。結局、スンデも内臓の一部ですもんね。
そしてこの本の中でも、スープを「アミの塩辛」で味を調える食べ方が紹介されています。
このスープにアミの塩辛を入れるという組み合わせ、考えた人を本当に尊敬します。これを入れた瞬間に旨味が爆発する感覚……。今も当たり前のように受け継がれている食べ方に、美味しさってこういうことなんだなと思いました(そして、エゴマの粉も香ばしくてサイコー)^^
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